匿名さん
ノルアドレナリンの放出により「微小覚醒(micro-arousal)」が起こると、脳の血管が収縮する。その結果、血液量が減ると、脳脊髄液が大量に流れ込む余地ができる。睡眠薬が脳の掃除を妨げているおそれ、認知症とも関連、最新研究
私たちが眠っている間、脳は周期的に老廃物を洗い流している。新しい研究によると、ある種の薬は、この重要な夜の掃除の妨げになることがあるという。
ノルアドレナリンが減少すると、血管は緩んで拡張し、老廃物を多く含んだ脳脊髄液を脳から押し出す。こうした血管の拡張と収縮は、約50秒周期のリズミカルな振動として測定された。この振動が、ノンレム睡眠中にグリンパティックシステムの全体で脳脊髄液を流していたのだ。
今回の研究では、もう1つの新たな発見があった。自然に眠りに落ちたマウスに比べて、ゾルピデム(先発品の商品名はマイスリー)という一般的な睡眠薬を投与されたマウスでは、ノルアドレナリンの振動が著しく抑えられ、脳脊髄液の流れが滞っていたとネーデルガード氏は言う。
この研究結果だけを見て、処方された睡眠薬の服用をやめるべきではないという点で、専門家の意見は一致している(医師の指導なしに服用を中止するのは危険だ)。
とはいえ近年、睡眠薬の長期使用への注意を促す証拠が数多く集まっていて、今回の研究がその1つであることは確かだ。